稲田豊史さん『こわされた夫婦 ルポ ぼくたちの離婚』

『女子SPA!』好評連載の書籍化、第2弾!

「気づいたら彼女の首を絞めていました」

「不幸というのはなんの脈絡もなく訪れるんです」

「子供ができない。これはなんの罰?」

「『生きづらい彼女を救ってやりたい』だなんて、傲慢でした」

精神的DV、不妊治療、子供の連れ去り――

地獄の日々で持続不能になった結婚生活


14組の離婚から“社会”が見える衝撃のルポルタージュ


「あなたはきっと、心の病んでない普通の奥さんと結婚する。朗らかで美人な奥さんと。どうせすぐに相手が見つかるし、すぐに再婚する。それが許せない。あなただけが幸せになるのが絶対に許せない。だから傷ついてほしい。今すぐに、今ここで!!  早く!! そうヒステリックに急き立てました。

すごく怖かったし、すごく腹が立ちました。気が遠くなって倒れそうになりました。でも、ここで倒れるわけにはいかない。生き残るんだ、生き残るんだと、自分に言い聞かせました」(Case #03 仲本守「夜と霧」より)


-ー証言が物語る壮絶な離婚劇


本書は、離婚を経験した男女(多くは男性)たちに、離婚に至るまでの経緯や顛末を聞いたルポルタージュである。

離婚そのものは、最終的には当事者同士の相性の問題だ。それは間違いない。しかし取材を重ねるうち、こう感じるようになった。

「社会の構造が離婚を促進させた側面もあるのではないか?」

離婚はその人の人生をあぶり出すだけでなく、その時点での社会のありようまでも可視化する。離婚で、社会が見える。

ぜひ、彼らの言葉ひとつひとつに耳を傾けてほしい。(「まえがきに代えて」より)


【目次】

第1章 難儀な女に惹かれる男

第2章 やがて悲しき文化系

第3章 人の子にして人の親

第4章 この理不尽なる社会

第5章 わたしたちの役割

第6章 ぼくたちの結論


稲田豊史(いなだ・とよし)

1974年、愛知県生まれ。ライター、コラムニスト、編集者。横浜国立大学経済学部卒業後、映画配給会社のギャガ・コミュニケーションズ(現ギャガ)に入社。その後、キネマ旬報社でDVD業界誌の編集長、書籍編集者を経て、2013年に独立。著書に『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『ぼくたちの離婚』(角川新書)、『「こち亀」社会論 超一級の文化史料を読み解く』(イースト・プレス)、『オトメゴコロスタディーズ フィクションから学ぶ現代女子事情』(サイゾー)、『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(光文社新書)、『ポテトチップスと日本人 人生に寄り添う国民食の誕生』(朝日新書)がある。


著者:稲田豊史

発売日:2023年4月22日

ISBN:978-4-909979-44-5

判型・ページ数:四六判・296ページ

定価:本体1,600円+税

amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4909979441